Martin Margiela の中でも特別なラインに属するのが「0」「0 10」のアーティザナルライン。
再構築をテーマにひとつひとつ手作業で作られています。
既存の物を破壊して、新しい物に作り替える。
マルジェラの代名詞でもある「デコンストラクション」を形にしたのがこのラインと言えます。
今回はそんなアーティザナルラインからの一着。
こちらは「0」ラインのアーティザナル。
レディースの再構築ラインですね。
シャツベストといった形ですが、面白い再構築が施されています。
再構築元はヴィンテージのメンズシャツ。
そのヴィンテージシャツの前立てを縫い合わせてプルオーバーで着るデザインにしてあります。
また、特に面白いデザインがこの襟もと。
この襟部分を身頃に縫い合わせてフラットになるディテールになっています。
この手法は1998年のフラットガーメント(平面)に似ていますね。
立体的な服ではなく、ハンガーで吊るしたときに平面になるような服と言うのが特徴です。
Martin Margiela の技法の中でもピックアップされるひとつですね。
Martin Margiela はこういった技法を数年に渡って施したりもするため、このシャツが1998年のコレクションの物かは定かではないですが、他の同型の服にオリゾンティタグが付いているのを確認しているので1997年頃から2000年までの物だと判断できます。
90年代の物はかなり市場に出にくくなっているのが現状です。
ですので、こちらのシャツも Margiela としては貴重な品物。
レディースのアーティザナルにはなるのですが、メンズのシャツを再構築しているのでメンズが着用しても違和感はありません。
ニットベストのようにシャツの上から着て見るのも面白い着こなし方だと思います。
サイズはフリーサイズ展開なので、通常体型の方なら着ていただけるでしょう。
中古市場でもたまに出てくることはあるので、生産数は少なくはないですが、Margiela 好きにはオススメの一着です。