今回ご紹介するのは Martin Margiela の Autumn winter 2004-2005 の作品。
マルタンマルジェラがエルメスを退任した後の作品になります。
シルク100%で作られたノースリーブワンピース。
タグにはピュアシルク100%と記載されています。
エルメスが作り出す最高級シルクは有名ですが、当時あまり高級素材は使わなかったマルジェラらしくないアイテムです。
エルメスを経験したからこそ最高級のピュアシルクでワンピース作ったのかもしれませんね。
しかし、ただ最高級シルクでワンピース作るというだけではないのがマルタンマルジェラらしさ。
最高級のシルク素材を使っておきながら、切りっぱなしと言う雑で粗野なデザインでワンピースを作っています。
いい素材で完成された物を作るのではなく、どこかに未完成の部分を取り入れる、マルジェラらしい脱構築的な物造り。
完成された物に魅力を求めるのではなく、洋服とは?を再定義したマルジェラの代名詞的なデコンストラクションを体現した洋服となっています。
そして、ハンガーにかかっている状態で一際目を引くのが、マルジェラのタグ史上一番の大きさを誇るであろう、「100% PURE SILK」と記されたタグ。
マルジェラ好きでもこのタグを見たことがある方は少ないはず。
Margiela のコレクションブックである「THE WOMEN'S COLLECTIONS 1989-2009」の中で取り上げられているシリーズでもあります。
この写真以外情報がほとんどないアイテムですが、全く中古市場に出ていないほどレアなアイテム。
高級素材を使っているため、当時の価格もかなり高額だったのでしょう、その為生産数も少なかったのではないでしょうか。
ここまで情報が少なく、数も少ないアイテムは2004年頃のマルジェラではかなり稀。
コレクター心をくすぐられる希少なアイテムです。