今回ご紹介するのは「martin margiela」のハイネックニットです。
martin margiela 、現在のブランド名は MAISON MARFGIELA ですが、2度ブランドネームが変わっています。
1度目はデザイナーの martin margiela がデザイナーを退任した2008年。
ブランド名が「martin margiela」から「MAISON MARTIN MARGIELA」に変わりました。
この頃からデザイナーチームがコレクションを担当したと言われています。
そして2度目がジョン・ガリアーノ(John Galliano)がデザイナーに就任した2015年から(2016SSからブランド表記は変更されています)。
ジョン・ガリアーノがデザイナーに就任してからは人気も取り戻し、また以前の margiela のオマージュと呼べるような、インスパイアされたとも取れるようなデザインが増えており、刺激的な margiela が帰ってきたようにも思えます。
しかしながら根強い人気があるのはやはり margiela 本人がデザインをしていた年代の物。
特に1990年から2000年代前半のアイテムは中古市場で高値で取引されます。
今回は紹介するハイネックニットはそんな margiela 本人が手掛けていた当時の物。
名作と呼ばれるシリーズではないですが、 margiela のすばらしさを感じ取れる一着です。
KOKONOEタグ
タグに記載されている KOKONOE CO., LTD の文字。
ローマ字表記のここのえタグで、2000年秋冬から2001年秋冬までの3シーズンのみ使用された代理店の名前になります。
ですので、正確な年代はとらえきれませんが、2000年秋冬と2001年春夏そして、2001年秋冬にかけて作られた物だと分かります。
今となっては数も少なくなってきた KOKONOE 期のアイテム。
ニット等は特にですが、状態が良い物は本当に少ないんです。
MISS DEANNA
コチラのニットはタグに「MISS DEANNA」という表記があります。
これは DEANNA というテキスタイルデザイナーの名前。
1995年から2000年前半にかけて margiela の支援をしてきたテキスタイル・ニットデザイナーです。
この方、サンローランやヴェルサーチ・アルマーニなどともコラボをしてきた有名な方。
1960年代から1980年代にかけて有名ブランドと共に活躍してきた方が、90年代では若手の支援をしていたんですね。
最近公開され話題となっていた margiela の映画「we margiela」でも多くを語っていました。
margiela でも多くのニットを生み出しており、タグに「DEANNA」と記載された物は今でも人気があります。
MARGIELAが手掛けていたHERMES
1997年から2003年にかけて martin margiela は HERMES のレディースプレタポルテのデザイナーを務めていました。
そのデザインはミニマムで上品、それでいて女性がその服を使う上で使いやすさも考えられた物でした。
多くの装飾があるわけではないのですが、見れば分かるデザインをシンプルに上品に表現できるのが martin margiela の凄さだと感じます。
そして、このニットも HERMES を務めていた時の物だと考えると納得ができます。
シンプルで上品な素材、だけどどこか margiela を感じることができる。
そんな「シンプルから作られる上品さ」がこのニットにもあるのではないでしょうか?
後ろは4つ糸が見えるデザイン。
これが見えない方がいいという方もおられますが、それは着る人次第でいいのだと思います。
タグではなく、martin margiela の服その物を着ることにこそ楽しさがあるのだと感じて欲しいです。